【面接で差がつく】現役消防士が教える「最近のニュース」を絡めた志望動機の答え方
1. 導入:面接官が「ニュース」を聞く本当の意図
「最近気になるニュースは?」
面接で必ずと言っていいほど聞かれるこの質問に、あなたは自信を持って答えられますか?多くの受験生は、ニュースの内容を説明するだけで終わってしまいますが、それでは不十分です。
私自身、採用面接に携わる中で、受験生の「社会への関心」と「問題意識」、そして「公務員としての適性」を測るためにこの質問をしてきました。
面接官が本当に知りたい3つのポイント
面接官が本当に知りたいのは、以下の3点です。
- 問題の「本質」を捉えられているか?
- 例:ただの火事ではなく、その背景にある「高齢化による初期対応の遅れ」など、地域社会の課題に気づいているか。
- その問題に対して「消防士」として貢献できると考えているか?
- 漠然とした正義感ではなく、「このスキルを活かして、この問題を解決したい」という具体的な貢献意欲があるか。
- 志望する「自治体・消防本部」の取り組みを理解しているか?
- ニュースを基に、この地域特有の課題と、貴本部がすでに行っている対策を絡めて話せるか。
ニュースを志望動機に絡める際は、**「ニュース ➡︎ 地域の課題 ➡︎ 自分の貢献(スキル)」**という流れを明確にしましょう。
2. 失敗パターンと成功の法則:ニュース志望動機3つの鉄則
❌ 失敗パターン:「それ、消防士じゃなくていいよね?」
よくある失敗例が、話題を一般論で終わらせてしまうことです。
「〇〇県の豪雨災害を見て、災害に強い国にしたいと思いました。」
➡︎ (面接官の心の声)**それ、国の機関やNPOの役割では?** 消防士として具体的に何をしたいの?
この「消防士じゃなくてもいい」というツッコミを避けるために、以下の**3つの鉄則**を守ってください。
⭕️ 成功の鉄則
- 鉄則1:ニュースを「現場の課題」に変換せよ
- 例:「観光客の増加」を「山岳救助事案の増加」や「言語対応できる救急隊員の不足」といった具体的な現場の課題に落とし込む。
- 鉄則2:自分の「過去の経験・強み」とリンクさせよ
- ニュースで感じた問題意識に対し、「自分の**体力**」「**語学力**」「**協調性**」など、具体的なスキルでどう解決に貢献できるかを結びつける。
- 鉄則3:「〇〇消防本部」の取り組みに言及せよ
- 志望する自治体のホームページや広報誌をリサーチし、「貴本部が昨年から導入した多言語対応タブレットについて、私は…」と具体的な取り組みに触れる。
3. 模範回答例(ニュース起点)の組み立て方
ここからは、3つの異なるニュースジャンルに基づき、志望動機として面接官に響く回答の組み立て方を解説します。
例A:救急のひっ迫をテーマにする場合
【注目するニュース】 救急出動件数が過去最高を更新、軽症者の搬送による現場のひっ迫。
ステップ | 内容(話す順序) |
---|---|
1. ニュースの提示と問題提起 | 軽症者の増加による現場のひっ迫に危機感を覚えた。 |
2. 消防士としての使命感 | 現場判断に加え、予防救急の市民への啓発活動が重要だと考える。 |
3. 具体的な貢献と強み | コミュニケーション能力を活かし、貴本部の適正利用の動画制作などの啓発活動に貢献したい。 |
例B:大規模自然災害をテーマにする場合
【注目するニュース】 〇〇豪雨など、広域化・複合化する大規模災害に関する報道。
ステップ | 内容(話す順序) |
---|---|
1. ニュースの提示と問題提起 | 広域災害における要配慮者への対応や、**広域連携**に課題を感じた。 |
2. 消防士としての使命感 | 消防士の使命は、災害時だけでなく「災害が起こる前」からの平時の備えにある。 |
3. 具体的な貢献と強み | 体力と粘り強さを活かし、貴本部が力を入れている住民参加型の防災訓練のリーダーシップを発揮したい。 |
例C:地域社会の課題(高齢化と技術)をテーマにする場合
【注目するニュース】 高齢者世帯の火災や、AI・ドローンなど新技術が防災に活用されるニュース。
ステップ | 内容(話す順序) |
---|---|
1. ニュースの提示と問題提起 | 高齢者世帯における**火災の初期対応の遅れ**や**孤独死**のリスク。 |
2. 消防士としての使命感 | 消防士は**「見守り役」**として、AIなどの**新技術**も使い、事案を未然に防ぐべき。 |
3. 具体的な貢献と強み | **新しい仕組みを学ぶ力**を活かし、貴本部が検討する**AIリスク予測システム**などの予防対策に貢献したい。 |
4. まとめと読者へのメッセージ
ニュースを絡めた志望動機は、あなたの視点の深さと本気度を測る最高の機会です。
単なる知識ではなく、「この地域で起きている課題を、**現役消防士として**自分の力で解決したい」という明確な意思を伝えることができれば、面接官を必ず納得させることができます。
今日からニュースを見たときに、「もし私がこの現場にいたら?」という視点を持って、情報収集の訓練を始めましょう。