【消防士向け】現場で役立つ「もやい結び」の結び方|最速1秒結索のコツと半結び仕上げ
現場で命を守る!消防の基本「もやい結び」を最速でマスターする方法
消防の現場で最も重要かつ基本となるロープワーク、それが「もやい結び」です。
人命救助の際、この結び一つが要救助者の命運を左右することもあります。「素早く、確実に結べるようになりたい」と願うあなたの悩みを解決するため、本記事では消防独自の「半結び仕上げ」までを、写真付きで徹底解説します。
「速い隊員は1秒で結ぶ」と言われるこの技術を、今日から「1秒結索」を目指してマスターしましょう!
「もやい結び」は消防結索の「花形」

結索といえばもやい結び、というくらい有名な結び方です。
なぜ消防でもやい結びが選ばれるのか?(3つの理由)
もやい結びは、多くのロープワークの中でも特に消防や救助の現場で重宝されます。その理由は、以下の3点にあります。
- 輪の大きさが変わらない(安定性):荷重がかかっても、結び目が締まったり緩んだりせず、常に一定の大きさの輪を保ちます。要救助者の体にかけた際も、締まる心配がありません。
- ほどきやすい(利便性):強い荷重がかかった後でも、比較的簡単にほどくことができます。現場での時間短縮に繋がります。
- 信頼性が高い(安全性):適切な末端処理(半結び)を施すことで、高い強度と安全性を発揮します。
わっかの大きさは、通常、こぶしが一つはいるくらいを目安にします。現場で均一な輪を作るため、次のステップから練習していきましょう。
【写真で解説】もやい結びの結び方(消防仕様5ステップ)
素早く正確に結ぶために、まずはロープの長さを正確に測るところから始めます。
STEP 1:結び始めのロープの長さを測る
「1秒結索」を目指すには、作り始めの位置を毎回揃えることが重要です。
私は、ロープの先端を握り、肩のあたりまでの長さで採寸し、その位置から結び始めるようにしています。
(ここでは、わかりやすいように測ったところに黒いテープを巻いています。)
STEP 2:サイズに合わせて輪(ループ)を作る
STEP 1で決めた長さ(黒いテープの位置)で、ロープの幹側に小さな輪を作ります。
STEP 3:結びの基本形を作る(水上から出るイメージ)
もやい結びの結び方を覚えるコツは、ロープの動きを「船」の動きでイメージすることです。
- 小さな輪を「池(水面)」
- ロープの幹(メイン側)を「岸壁」
- ロープの端(先端側)を「船」
「船が池から出て、岸壁を回り、また池に戻る」ように動かします。
まず、ロープの端(船)を輪(池)の下から通します。
次に、ロープの幹(岸壁)を回します。
最後に、再び池(小さな輪)へ上から通して戻します。
これで、もやい結びの基本形が完成です。
STEP 4:強度を高める「半結び(止め)」で仕上げる
消防の現場では、結索部の絶対的な強度とほどけ防止のため、必ず半結び(止め)で末端処理を行います。ロープの先端を、結び目にかぶせるようにしっかりと巻き付けましょう。
STEP 5:もやい結び(半結び仕上げ)の完成
もやい結び(半結び仕上げ)の完成です。この形を常に目指して、何度も繰り返し練習してください。
まとめ:今日から反復練習を習慣に!
もやい結びは、単なるロープワークではなく、現場であなたと要救助者の命を守る最重要技術です。
作り方を覚えたら、今日からすぐにロープを手にとって目標タイムを設定し、反復練習を始めましょう。
「1秒結索」は、日々の訓練から生まれます。この確かな技術をあなたの血肉にし、自信を持って現場に臨めるよう、訓練を積み重ねていきましょう!