現役消防士、救急救命士の凜(@mappletour)です。
救急車って町でいっぱい見るけれど、いくらくらいするのかなぁ。
そうだねぇ。装備などによるけど約2000~4000万円くらいかなぁ。
そ、そんなに高いの!!とんでもない高級車だね。
救急救命士が使う医療機器や中の棚、赤色灯などは購入時にそれぞれの市町村が地域事情などや使う隊員の意見を聞いてカスタムするんだよ。
だから、ひとつひとつの救急車は同じように見えても、一台一台違うんだ。
最近、救急車を寄付する人も増えてきているよね。
そういうニュースもよく聞きますよね。
例えば、地元企業からポーンと寄付金が出て、救急車を購入するケースもあります。
また、最近では個人から寄付金が出て救急車を購入する場合もあるようです。
寄付を考えている方はだいたい2000万~3000万を考えておけばいいのかな?
高規格救急車であれば、それくらいを考えておけばいいと思います。
救急車の値段っていくら?
救急車は約2000~4000万円くらいです。
救急車の装備や救急車に積載する医療機器などによって、値段は高くなったり、安くなったりします。
一般的に救急車は、作成された仕様書をもとに競争入札が行われ購入します。
そのため仕様書で定めている装備や医療機器により販売業者が入札価格を決め、一番安い価格を提示した業者が納入することになります。
なぜそんなに高いの?
救急車の装備はメーカーにもよりますが、赤色灯の位置、車内の積載品を搭載する棚などは、びっくりするほどの選択肢の中から市町村の地域事情や隊員の好みなどで決めていきます。
おそらくあの選択肢の多さから、大きい消防本部のように大量に一度に購入しないかぎり同じ仕様の救急車はないと思います。
救急救命士法が施行されて、救急車も高規格救急車へ移行しています。
それに伴い除細動器などの高度医療機器を積載できるようになり、それらが驚くほどの価格ですので、必然的に救急車は高額なのです。
例えば、心臓に電気ショックを与えるAEDは大体200~300万円くらい。
車内でバイタル測定や心電図をとるための車載用モニターも200~300万円くらいです。
それらだけで購入金額の10%くらいですので、医療機器がいかに高額かわかると思います。
救急車の購入費って?
救急車は税金で購入されますが、市町村の負担を減らすために、補助事業が展開されています。
例えば、緊急消防援助隊補助です。
この補助を使用して救急車を購入した場合は、東日本大震災のように大きな災害が発生した場合、優先的に緊急消防援助隊に使用することになります。
最近では企業や個人が寄付という形で、救急車を購入することもあるようです。
その場合は金額の制約はあるものの、比較的自由に装備などを選ぶことができるようです。
搭載される主な医療資器材
- 観察用資器材 – 聴診器、血圧計、検眼用ペンライト、患者監視装置(心電図・脈波・血圧・血中酸素飽和度)
- 傷病者のバイタルサインなどを測定するために使用します。
- 救急隊は診断はできません。そのため、この観察用資器材を使用し緊急度や重症度を判断し、病院選定や処置を実施します。
- 人工呼吸器 – バックバルブマスク・自動式人工呼吸器等
- 呼吸状態の悪い傷病者や心肺停止の傷病者に対して、呼吸の補助や人工呼吸を行います。
- 自動式体外除細動器
- 電気ショックを与える医療器具。心室細動や無脈性心室頻拍の、致死的不整脈を治療するために使用します。
- 法改正により一般市民でも使用可能となったAEDと救急車に積載されるものと異なる点は、隊員自らが心電図モニターにより除細動の適応を判断し解析を行い除細動適応であれば通電する点です。
- 基本的に性能などは一般市民に普及しているものと変わりません。
- 気道管理セット
- 吸引器、喉頭鏡、マギル鉗子、開口器、経口経鼻エアウェイ
- 窒息した傷病者や気道確保が必要な傷病者に対して使用します。
- 搬送器材各種
- ストレッチャー(メイン、サブ、スクープ型など)・布担架等
- 救急隊の活動は搬送に多くの労力を使います。
- スクープストレッチャーは腰や足を痛め、動かすと痛い場合に使用します。
- 毛布
- 体温を奪われる冬季は特に重要です。
- 感染予防用具
- プラスチックグローブ、マスク、防護衣類、ゴーグル等
- 脊柱固定用具
- バックボード、頸椎固定カラー、ストラップ。交通事故などの高エネルギー外傷で脊椎損傷の可能性がある患者に対し全身固定を目的として使用します。
- 外傷キット
- 滅菌ガーゼ・タオル包帯・三角巾・空気膨張型副木等
- 分娩セット
- 救出用具
- サイドウィンドウを割る為のハンマー、シートベルトカッター、バール、トップマン鳶等。
- 医療用酸素
- 10リットルボンベ×2~3本
- 特定行為セット
- ラリンゲアルマスク、食道閉鎖式エアウェイ、気管チューブ、静脈留置針、輸液セット、アドレナリン。(気管チューブとアドレナリンは医師の具体的指示を受けた「認定救急救命士」が使用できる。)
救急車が高額な理由まとめ
救急車は約2000〜4000万円くらいです。
中の装備や棚は無数にカスタマイズでき、全く同じ救急車は珍しいと思います。
救急救命士が乗るようになってからは、高度医療機器が載せられるようになったため高額になりました。
高額になったので、さまざまな補助金を使って購入されます。
また最近では救急車を寄付するかたも見え、話題になっています。