【消防学校の不安解消】入校前に「ロープ結索」を予習すべき理由と準備
あなたは今、こんな不安を抱えていませんか?
- 4月から消防学校に入校する。
- 消防学校が乗り切れるか、心の底から心配だ。
- 入校前に何かできる予習はないだろうか?
消防学校は厳しいです。私も入校前は不安で不安で、夜も眠れないほどでした。慣れない団体行動、厳しい教官、分単位での時間厳守…。
しかし、安心してください。その不安を解消し、スムーズに学校生活をスタートさせるための最重要の予習があります。それは、「ロープ結索(けっさく)」の練習です。
この記事では、元消防士の経験から、なぜロープ結索が消防学校で最も役立つスキルなのか、そして入校前に何をどう予習すべきかを完全解説します。
—
入校前にロープ結索を予習すべき3つの具体的な理由
ロープ結索を予習として強くおすすめするのは、多くの学生が苦手意識を持っているからです。
ロープ結索は消防救助の基本スキルとして叩き込まれます。しかも、消防学校の序盤に訓練や効果測定が行われるため、短期間で身体が覚えるまで繰り返し訓練する必要があるのです。
この序盤の難関を突破するために、ロープ結索は最高の予習となります。
—
ロープ結索マスターが消防学校生活で得る5つの特権とメリット
ロープ結索を入校するまでに覚えておくと、単に怒られなくなる以上の大きなメリットがあります。これらは、その後の**消防士としてのキャリア**にも影響を与える、重要な特権です。
- 心の余裕ができます。訓練初期の大きなプレッシャーから解放されます。
- 無駄に教官に怒られることが無くなり、評価が安定します。
- **最初の評価で「できる学生」という教官の認識**を得られます。
- 苦手な学生に教えることで、人望が厚くなります。
- 教えることで自分の理解度が深まり、他の訓練に集中する時間的余裕が生まれます。
特に「こいつはできるやつ」「こいつに教えてもらうと分かりやすい」と思われるのは、その後の生活にかなり有利に働きます。生活面や訓練等で**信頼感や協力**が得られやすくなります。
—
【完全ガイド】消防学校で使うロープ結索を予習・準備する方法
私が消防学校に入校したときは、結索のDVDを渡されて「明日までにすべて覚えてこい」という状況でした。効率的に覚えるには、動画を見ながら真似をし、身体に覚え込ますのが一番です。
ロープ結索準備編:自宅でできる訓練環境づくり
いきなりロープ結索を練習しよう!と言っても、道具がないと始まりません。そこで、予習のために準備するものを紹介していきます。
用意するもの

- 三つ打ちロープ(3打ロープ)、太さ12mm 約5m
- カッターナイフ
- ビニールテープ
- はさみ
- ライター
消防では「三つ打ちロープ(3打ロープ)」を主に使います。ビニールひもではなく、実際のものと同等のロープで練習した方が感覚を掴みやすいです。
①ホームセンターに行こう

ホームセンターのロープ切り売りコーナーで、「ナイロンまたはビニロンの3打ロープ、太さ12mm」を探してください。大体1mあたり400円前後です。これを5メートル(おおよそ2000円程度)購入しましょう。その他は100円ショップで揃えてもかまいません。
②ロープの端末処理(がんじがらめ)をしよう
3打ちロープは端末を処理しないと、すぐにほつれて使い物にならなくなります。消防ではこの処理を「端末処理(がんじがらめ)」と呼び、訓練中の安全管理にも繋がる重要な作業です。

③ビニールテープを巻こう

ビニールテープを巻く前に、雑巾のように絞りロープを固くします。固くしてからビニールテープを引っ張りながら巻き、2重になるように折り返して巻き付けます。

④ロープを切りましょう

ビニールテープを巻いた、半分くらいのところでカッターナイフを使い切断します。安全のため、できれば2人で作業しましょう。
⑤ロープの端末をライターで炙る⇒できあがり

切断した細かい毛のような部分をライターで炙り固めます。これで訓練用のロープの完成です。
—
「巻き結び」を制するものが、消防を制する
ロープ結索の中でも、「巻き結び」は靴ひもを結ぶ蝶結びくらい使う頻度が高い結び方です。三連梯子の結着や水平梯子操法など、あらゆる場面で使われます。ぜひマスターしてほしい結索です。
「巻き結び」の完成形

「巻き結び」の結び方
「巻き結び」は結着するものに巻き付ける

結着したいものに巻き付け、クロスさせます。このクロスが巻き結びのポイントです。
「巻き結び」のこの形を覚えるべし

巻き結びはこの形を覚えましょう!消防では結び目がほどけないように、必ず最後に半結びを取ります。
あとは半結び

これで巻き結びの完成です。
巻き結びの特長:力がかかっても緩まない方向の法則
巻き結びは、力がかかる方向によって、結び目の作り方を変える必要があります。器具結索などでは非常に重要となるため、ぜひ理解してほしいポイントです。
右に引っ張りたい場合の鉄則

画像をよく見てください。「右に引っ張りたいロープの元側」が、「結び目の末端側(端末側)」を強く押さえつけるように作用する構造になっています。これが強い巻き結びの鉄則です。
対して、押さえつけが弱い巻き結びは危険な「悪い例」となります。

緩まない巻き結びを作るには、「力を掛けたい方向と逆に巻き始める」と覚えましょう。
- 左方向に力を掛けたい場合 ➡ 最初に右へ巻く
- 右方向に力を掛けたい場合 ➡ 最初に左へ巻く
—
その他の重要なロープ結索(予習リスト)
巻き結び以外にも、消防学校で必ず習い、身体に染み込ませるべき結索を紹介します。動画を参考に、繰り返し練習しましょう。
二重もやい結び
災害時に役立つ、ロープの結び方の紹介~⑧二重もやい結び
もやい結びの2重バージョンです。要救助者を吊る場合に用いられることもあります。
三重もやい結び
災害時に役立つ、ロープの結び方の紹介~⑨三重もやい結び
非常に重要な結索です。「応急はしご」などの救助方法で要救助者を吊るために使われます。素早く確実に実施できるように訓練しましょう。

コメント