【消防士の休み】勤務サイクル・有給のリアルを徹底解説!「休みが多い」と言われるカラクリとは?

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【消防士の休み】勤務サイクル・有給のリアルを徹底解説!「休みが多い」と言われるカラクリとは?

現役消防士、救急救命士の凜(@mappletour)です。

この消防士ブログで伝えたいこと
消防士を目指す方々の架け橋になりたい。

「消防士は休みが多い」「休みを自由に取れる」そんなイメージはありませんか?

確かに、消防士には他の公務員とは違う特殊な勤務体系があり、休日を長く楽しめるカラクリが存在します。

この記事では、現役消防士である私が、あなたの以下の疑問に徹底的にお答えします。

  • 消防士の休みは本当に多いのか?
  • 有給や長期休暇は自由に取れるのか?
  • 休みの日、消防士は実際に何をしているのか?

この疑問が解消できれば、消防士という仕事の魅力がさらに明確になるでしょう。

消防士の勤務サイクルと休みの日数(日勤 vs 2交代制)

消防士の勤務体系は、大きく分けて2種類あります。

  • 日勤(事務)勤務:総務や予防業務などを行う部署
  • 交替制勤務:火災や救急に出動する現場系(消防署など)

1. 日勤(事務)勤務の場合

市役所の職員などと同じで、8時30分から17時15分が定時です。土日祝日は休みで、カレンダー通りに勤務します。

2. 交替制勤務(2交代制)の場合

現場系の消防士は、いわゆる24時間勤務の2交代制(または3交代制)で勤務します。

私の消防本部では、職員を2つのチームに分け、24時間ごとに入れ替わる2交代制です。

  • 出勤:8時30分
  • 翌日退勤:翌朝8時30分

この24時間勤務が終わった次の日は「明け休み」となり、そのままお休みになります。

勤務時間が決められた日数を超過しない工夫

公務員は「週40時間勤務」と定められています。

24時間勤務を続けると、この時間数を超えてしまうため、多くの消防本部では時間調整のための公休を設けています。

当消防本部の場合は、3回の24時間勤務(2泊3日)が終わると、次の24時間勤務が丸々休み(公休)になります。

ある月の勤務表を見てみましょう。

消防士の勤務表

○印が出勤日です。○の翌日(×印)は明け休みとなり、朝8時30分から休みが始まります。

9/7は公休(明け休みとは別の休み)です。この場合、9/6の朝8時30分から9/9の朝8時30分までが実質3連休になるのです。

もう少し詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

消防士だけが知る消防士の勤務実態

24時間勤務で有給は2日分?実質の勤務時間とは

有給休暇を使うと2日分消費する理由

24時間勤務の場合、1回の勤務で有給休暇(年次休暇)を使うと2日分(8時間×2日)を消費したことになります。

「2日分使っても24時間にならないのでは?」と疑問に思いますよね。

実は、24時間拘束される時間の中に仮眠時間休憩時間が含まれており、これらは勤務時間外として扱われるからです。

  • 24時間拘束 – 仮眠・休憩時間(約8時間) = 16時間

つまり、1回の24時間勤務で実質的に働いている時間は約16時間と計算されます。この16時間を8時間で割ると2日分と見なされるのです。

交替制勤務の拘束時間は長いですが、実質の勤務時間は週40時間という標準的な公務員の勤務時間と変わりません。

消防士は休みが多いと感じるカラクリ

勤務時間は同じなのに、なぜ交替制勤務の消防士は休みが充実しているように感じるのでしょうか?

それは、交替制勤務ならではの大きなメリットがあるからです。

  • 残業がほぼない:交替時間が来ると、次のチームが必ず出勤してくるため、よほどの災害がなければ定時で仕事を引き継げます。
  • 明け休みは丸一日自由:朝8時30分に仕事が終わると、9時頃には帰路に着けます。災害がなく平和に終われば、9時の時点でその日1日を休日として活動できるのです。

対して日勤の職員は、夕方終業時間が来ても仕事が終わらなければ残業することになります。19時や20時に帰宅すると、次の日も朝から出勤です。

交替制勤務は、拘束時間は長くても、勤務明けの朝から休日として動けるため、休みが多く充実していると感じるのです。これが「消防士は休みが多い」と言われる最大のカラクリです。

消防士の休日の過ごし方:現役100人に聞いたリアルな実態

「消防士はギャンブル好き」という昔のイメージや検索ワードを見かけることがありますが、今の消防士は休日をどう過ごしているのでしょうか?

初任科同期約100名(消防経験10〜15年の中堅層)にアンケートをとってみました。

Q: あなたが休日を過ごす内容として多いものはどれ?(有効回答数98票)

順位 回答 票数
1位 家族と過ごす 60票
2位 スポーツをする 17票
3位 ギャンブルをする 11票
4位 勤務に備えて寝る 6票
5位 テレビを見る 4票

調査の結果、「家族と過ごす」が圧倒的な1位でした。

朝から休みが始まるため、家族サービスや趣味(スポーツなど)に時間を費やす消防士が多いようです。「消防士=ギャンブル」というイメージは、現代では当てはまらないと言えるでしょう。

ただし、今回の調査は中堅層のデータであり、若い年代ではまた結果が変わる可能性もあります。

いずれにしても、朝から1日を自由に使える時間が多くあるのは、消防士という仕事の大きな魅力です。

消防士は休みを自由に取れる?有給休暇の取り方と呼び出し

有給休暇は取りやすいのか?

交替制勤務は、日勤と比べて有給休暇を取りやすい傾向にあります。

これは、交替制勤務は常に次のチームが控えているため、誰かが休んでも業務が回る体制ができているからです。

もちろん、大規模な行事や人繰りの厳しい時期もありますが、計画的に申請すれば比較的スムーズに取得できる職場が多いです。夏休みなどの長期休暇も、時期をずらすなどの工夫は必要ですが、取得可能です。

休日の緊急呼び出しはあるのか?

「休みの日も呼び出されるのでは?」と心配する方もいるかもしれません。

私の働いている消防本部では、以下のような大規模災害が発生した場合に、休日の職員を呼び出すことがあります。

  • 建物が燃えるような大規模火災
  • 水害や土砂災害などで救助活動が長期化する可能性があるとき

呼び出しがあった場合、職員はいかなる場所にいても**即応し消防署に向かう**ことになります。

ただし、東京消防庁や政令指定都市の消防本部など、規模が大きい消防本部では職員数が多いため、東日本大震災クラスの災害でない限り、休日の呼び出しはほぼないと言われています。

まとめ:消防士は決して休みが多いわけではないが、休みを楽しめる時間のある仕事である

攻略情報

この記事の結論です。

消防士は、他の公務員と同じく週40時間の勤務時間が確保されており、決して休みが多いわけではありません。むしろ拘束時間は長いです。

しかし、**交替制勤務のメリット**を最大限に活かすことで、朝から1日を自由に活動できるため、「休みが充実している」と感じられる仕事です。

ご自身の時間を大切にしながら、地域社会に貢献したい方は、ぜひ消防士を目指してみませんか?

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