「消防士になりたいが、筋肉がなく体力に不安だ。」
「筋肉には自信があり、それを生かした仕事をしたい。」
「筋肉を鍛える仕事がしたい。」
現役消防士、救急救命士の凜(@mappletour)です。
消防士のイメージは鍛えられた身体。
鍛えられた精神力。
仕事中には激しいトレーニングと訓練。
そんなイメージはないだろうか?
わたしは高校3年間帰宅部で体育ではお荷物だったため消防士になりたいけど不安ばかりだった。
でも結果消防士となり、まぁそれなり仕事をしている。
消防士に筋肉が必要か?と聞かれれば、必要だけど、絶対ではないとお答えしよう。
では理由を述べていく。
消防士に筋肉は必要だ!!
たしかに消防士は体力自慢や体力を活かしたい人が採用試験を受けるので、普通の公務員より全体の体力水準は高いだろう。
なぜ体力が必要か?
装備の重量が重いので筋肉は必要!
消防士は火事で活躍する職業だ。
火事に行くとき消防士は防火衣、空気呼吸器を背負い活動する。
その重量は防火衣で約10キロ、空気呼吸器が約8キロくらいだ。
しかも防火衣は普段の作業服の上から着て、スキーウェアのように分厚い生地でできているため動きにくい。
約18キロの装備を着て動きにくい防火衣を着て、現場で動かなくてはならないから体力、筋肉必要なのだ。
放水には筋肉が必要!
消防士は火事のとき火に向かって消防車からホースを伸ばしノズルで放水して火を消す。
まさにこの作業には体力と筋肉が必要なのだ!
ホースは1本約10キロ。
1本で20メートルしかないので、必要な分は持って伸ばさないといけない。
さらにノズルを持ち、放水する際には水そのものの重さにプラスして反動が加わる。
体力や筋肉のある消防士でも、体勢をしっかり整えないと吹っ飛ばされるくらいだ。
だから、体力、筋肉が必要なのだ。
現場活動は長時間なので筋肉は必要!
火事が起こると、すぐに活動が終了することはない。
わたしは3時間は覚悟する。
約18キロの装備、重いホース、放水すると凄い反動。
これらに耐えつつ3時間活動するのだ。
当然火事なので、火が熱かったり、煙かったり、そういうストレスの中で活動しなければならないので、体力、筋肉は必要なのだ。
消防士に筋肉は必要ない!!
わたしは懸垂が6回しかできなかったが消防士になった。
高校3年間は帰宅部で、体育は大の苦手だった。
厳しい消防学校も乗り切ることができたし、キャリア10年以上の消防士だ。
なぜ筋肉が必要ないのか…?
道具が進化してきたからだ!
ホースが細くなったから消防士に筋肉は必要ない!
近年火災現場で水損防止ってのが聞かれるようになった。
水損防止を簡単に説明すると必要最低限の水で火を消し、放水の水によって家がダメになるとか家具がダメになるとかを防ぐ考え方だ。
水損を防止するために、泡で放水したり、薬液を混ぜた水を放水したりで、少しでも放水する水の量を減らそうとしている。
そのためホースは細くなり(必要な水量が減るので)、重量は軽くなった。
また、ノズルをつけて放水する際も取り回しが楽になった。
当然、使う水量も減るので、反動も少なくなり、少ない力で放水することが可能となった。
ノズルがガンタイプになったので消防士に筋肉は必要ない!
放水するためのノズルも進化した。
形状が握りやすいガンタイプというものになった。
現在は以前使っていたストレートのただの筒「菅そう」から、人間工学も考えられ握りやすく放水しやすい形状になった。
持ちやすくなったので反動にも耐えやすく、少ない力で放水できるようになった。
採用試験に筋肉は必要ない!
消防士の採用試験は体力試験があることが特徴だが、点数化はするが体力があればあるほど合格に近づくわけではない。
あくまでも消防士として働ける身体であるかを試験しているのだ。
まとめ
ここまで筋肉がいる理由、いらない理由をまとめてきた。
確かに筋肉、体力があればあるほどいいが、近年は道具の進化が目覚ましく省力化が図られていくだろう。
今度は体力ではなく、その道具を使いこなすアタマのよさが問われていくんではないかと考えている。