その防災頭巾はかわいい子どもを守ってくれますか?

その他

「幼稚園や小学校で防災頭巾を購入するように言われた」

「あんな布切れで大事な子供のあたまを守れるの?」

「なぜ今だに防災頭巾?戦争時代のまま?」

 

こんな方への記事です。

 

今年度、わたしの子供は幼稚園に入園しました。

そこで入園にあたって用意するものの中に、防災頭巾とありました。

「えっ!あんな布切れで頭守れるの?」

そんな疑問を持ったわけです。

 

消防士という仕事上あたまを守る重要性はわかっています。

 

防災頭巾がなぜ今だに採用されているのか。

それは戦時中の防空頭巾の名残りだと考えられます。

全く根拠に乏しいのが現状です。

 

防災頭巾はかわいい子どもたちを守ることができるのか?

結論を先に述べます。

防災頭巾では守れません。

ではその理由を解説していきます。

 

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地震のときあたまを守る重要性

文部科学省が平成22年5 月に「地震防災研究を踏まえた退避行動等に関する作業部会報告書」をまとめました。

そこで地震発生時の行動検証がなされています。

居室や教室などの一般的な室内空間において、初期の微小な揺れの際には「机の下などに身を隠したり、座布団や雑誌、ヘルメットなどで頭を保護する」などと頭の保護の重要性を訴えています。

その結果を受け、頭部保護のできるものとして防災頭巾を採用していると考えられます。

地震防災研究を踏まえた退避行動等に関する作業部会報告書:文部科学省

 

防災頭巾のルーツ

防災頭巾は戦時中に使われていた防空頭巾と考えられています。

防空頭巾は戦時中に空襲の避難で建物からの火の粉や火炎からあたまやかおを守るために着用されていました。

当時は火炎から身を守るために水に濡らして使用していたのです。

そのため防空頭巾は地震発生時の落下物からあたまを守るためのツールではなかったと考えられます。

まさお
まさお

防空頭巾は空襲による火の粉や火炎から守るために着用してたんだよね?いつから落下物からあたまを守るためのものに変化したの?

凛

んー、そこが最大の疑問なんだ…

そこで防災頭巾のメリットとデメリットを再度まとめてみよう。

 

防災頭巾のメリット

  • あたまと肩を守ることができる
  • 火の粉と風からあたまと顔を守ることができる
  • 耳を騒音や粉じんから守ることができる
  • 中綿で冷えから守ることができる
  • 避難先で座布団として使うことができる
  • 小さい子どもでも簡単に着用できる
  • 安い(2千円前後)

こんなところでしょうか?

最近の防災頭巾は防炎生地に中綿を詰めているものが多いようです。

防災頭巾のデメリット

デメリットに関しては国民生活センターが防災頭巾の安全性について発表していますので、確認してください。

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ざっくり内容をまとめると以下の通りです。

  • 生地が難燃や防炎性能をうたっていたが、表現がさまざまである
  • 洗濯表示がない
  • 防炎性能をうたっていても燃え続ける
  • 衝撃吸収性能の極端に低いものがある

 

まさお
まさお

防災頭巾は小さい子どもが使うとなると使いやすいのかもしれないね。

 

凛

確かにそうかもしれないね。

防災頭巾はあたまを守ることを期待して着用するのに、その目的に適してないんじゃない?

 

あたまを守るのに防災頭巾は目的に適していない

文部科学省の報告から、地震起こったときにあたまを守ることの重要性が再確認された。

あたまも守ることを期待して用意されている防災頭巾はその期待されている目的には適していないことが、戦時中に使われていた理由や国民生活センターの結果からわかった。

戦時中は空襲による火の粉や火炎から防ぐため。
国民生活センターの安全性への疑問。

地震による落下物からあたまを守るならヘルメットを選ぶべき

 

まさお
まさお

地震時の落下物からあたまを守るなら何を選べばいいの?

 

凛

やはり飛来、落下物耐性の国家検定を受けたヘルメットをおすすめするよ。

地震のときあたまを守る行動をとることを推奨されています。

その目的には最も適しているのはヘルメットです。

 

ヘルメットのメリットとデメリット

消防学校で習ったヘルメットのメリットをまとめました。

  • 頭部へと衝撃に強い
  • ものによっては感電耐性、墜落時衝撃耐性、飛来、落下物耐性、耐熱耐性がある。どれも国家検定を満たしていれば安全性を満たしている

ヘルメットのデメリットは災害時に用意しておくものにしては、かさばり保存場所が大量に必要になることです。

地震時のあたまの保護を考えるならば、飛来、落下物耐性のあるものを選ぶといいでしょう。

 

防災頭巾よりも折り畳みヘルメットはどうでしょうか?

地震の時にあたまを守るものとして一番はヘルメットです。

しかしヘルメットはあたまを守るものとして最強ですが、かさばり保存場所になります。

そこで開発されたのが折り畳みヘルメットです。

ここでは小さい子どもでも使える折り畳みヘルメットを紹介します。

 

タタメットズキン3

タタメットズキン3の特長は

  • 折り畳みヘルメットと防災頭巾を合体した商品です
  • 軽い操作で組み立てができるので、小さい子どもも使えます
  • アジャスターがついているので、頭囲に合わせて調整できます
  • ヘルメット部分は飛沫、落下物耐性の国家検定を満たしています
  • 防炎布部分は日本防災協会の防炎製品の認定を受けています

yellow inc. 株式会社イエロー タタメットズキン3
「TATAMET ZUKIN」(タタメットズキン3)は折りたたみ式ヘルメットと防災ずきんが一体化した次世代型防災ずきんです。ヘルメット部が落下物に対応し、防災ずきん部が火の粉や熱に対応します。使わないときは厚さ約45mmの大きさにたたむことができます。学校や学習塾等での防災備蓄としてご活用ください。厚生労働省保護帽規格...

 

防炎頭巾はかわいい子どもを守ってくれるのか?

答えは守ってくれません。

防災頭巾は地震時の落下物に対する衝撃には耐えられないと考えられます。

飛来、落下物耐性の検定を受けたヘルメットを準備しておくほうが安全性が高く有効です。

 

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