今年度、実は消防職員委員会の委員に任命されておりました。
今までは一職員として、意見提出などを行ってきましたが、今年度は取りまとめる側になりましたので、制度について詳しく勉強をしたわけです。
そこで、この記事ではそこで学んだことを生かし、消防職員委員会について詳しく解説していきたいと思います。
消防職員委員会とは
消防職員委員会とは、消防職員から意見を幅広く求めることにより、消防職員間の意思疎通を図るとともに、消防事務に職員の意見を反映しやすくすることにより、職員の士気を高め、もって消防事務の円滑な運営に資することを目的とします。
簡単に言うと、働きやすい職場を作るために幅広く意見を集め、議論し、必要なものは取り入れていきましょう。といった感じでしょうか。
消防職員委員会は各消防本部毎に設置されます。
消防職員委員会で、上がってきた意見を精査し、実施することが適当であると審議された場合は、委員会から消防長に意見が渡され、消防長は予算要求や調整を図ることとなるのです。
そして委員会から上がった意見に対しては処置は、全職員に周知されることとなります。
幅広くってことは新人職員でも意見を述べることができるってことなの?
立場や経験年数、階級は関係なく自由に意見することができるんだ。
消防職員委員会の仕組み
消防職員委員会の委員長は消防長が指名します。
消防職員委員会の委員の半数は消防長が指名し、残りの半数は職員の推薦により指名されます。
消防職員委員会は毎年度前半に1回は開催されます。
意見のあるものは事前に意見取りまとめ者に提出します。
この意見取りまとめ者はその部署毎に指定されています。
事務局は多くの場合は、消防本部の中でも総務を担っている部署であることが多いようです。
来年度から匿名での提出が可能になったんだね。
平成31年度から制度の一部が変わりました。
匿名での提出が可能になったため、より意見の提出が活発になり、若手職員の意見や少数派の意見も取り入れることが可能になったと思われます。
どんな意見が提出できるの?
意見に関しては、制度の趣旨に反してないものであれば、幅広く意見を提出することができます。
大きく分けると3つになります。
給与、勤務時間その他の勤務条件及び厚生福利に関すること
- 業務に必要な資格取得への助成
- トイレの洋式化
- 事務室にサーキュレーターの設置
などの意見が提出され、実現に至っています。
被服や装備品に関すること
- 防火衣の更新とアイスパック導入
- カッパを透湿性の素材に変更
- 活動服を難燃性素材に変更
- 防火ヘルメットや火災用手袋のをより安全なものに変更
などが実現に至っています。
消防の用に供する設備、機械器具等に関すること
- 消防隊へタブレット端末の導入
- 緊急車両にドライブレコーダーの設置
- パソコンの増設
- 女性設備の充実
などが実現に至りました。
消防職員委員会委員を務めての感想
今年度はじめて委員を務めました。
委員会に合わせて、上がった意見の詳細を細かく分析し、過去のデータや提出者の意図、全国的な流れや近隣消防本部の動向などを自分なりに調べて、提出者の意見を最大限汲み取り事を念頭に参加しました。
私は現場サイドの代表として参加したわけですが、対費用効果や予算の関係、各法令や基準の関係で事務サイドの職員と折り合いをつけることはかなり難しかったです。
ただ過去に何回も上がっている議題や提出者が変わっての同じ議題の提出に関しては、多くの職員の相違として考えるべきで、より議論を深めるべきだと感じました。
消防職員委員会は組織に一石を投じることができる機会である
長年一つの組織にいると、考え方が一極化し、本来なら疑問に思う事柄に関しても、何となくそうだからや前からそうだからという理由で見過ごされがちである。
消防職員委員会は誰でも意見を述べることができ、組織内で一人しか思いつかなかった当たり前の意見も吸い上げることができる。
議論の場に出すと、その意見が至極まっとうな意見で、そもそもなぜそれをやっていなかったのかと思うことも多々ある。
議論によって、現場サイドの人間や事務サイドの人間との意見の交流があり、理想と現実の間に立たされることもあるが、消防職員委員会の目的である、職員間の意思疎通、士気向上には明らかに効果があるのではないかと感じた。
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