「消防士になりたいんだけど、何から手をつければいいんだろう」
「消防士の採用試験ってどんな感じなの?」
「準備はいつからはじめた方がいいんだろう?」
今回の記事はそんな方に向けて書いています。
現役消防士、救急救命士の凜(@mappletour)です。
現在は消防士採用試験担当者でもあります。
わたしは中学生の時に救急救命士になって救急車に乗りたいと思い、大学卒業後、消防士になりました。
中学では成績がよかったものの、高校では360人中350位前後をさまよう劣等生。
しかも帰宅部で、担任の先生に「消防士になりたい!」と言っても信じてもらえない冴えない学生だったのです。
高校3年生のとき、徹底的に「消防士になるには」を調べてみて、気づきました。
こんな劣等生で帰宅部では消防士採用試験に合格できなし、救命士になれない。
体力にも学力でも自信がないわたしは資格を取ってチャレンジしようと決意し、救命士コースのある大学に進学し、大学4年の時チャレンジしたのです。
わたしのようにそこで足りないものに早く気付くことも重要です。
この記事を最後まで読んでいただくと、敵を知る=消防士採用試験を知ることができるようにまとめてみました。
消防士を目指すあなたの助けになれれば幸いです。
敵を知ることは合格への近道だ!
- 政令指定都市、市町村の採用試験よりも早い時期にあり、力試しとして使えること
- 試験が全国で開催されること
- 内定を政令指定都市、市町村の結果が出るまで保留できること
消防士採用試験の試験区分
Ⅰ類(大卒相当)、Ⅱ類(専門卒相当)、Ⅲ類(高卒相当)に分かれています。
採用区分により、
- 初任給の違い
- 昇進、昇給の違い
などが発生します。
Ⅰ類(大卒相当)
- 平成2年4月2日から平成10年4月1日までに生まれた人
- 平成10年4月2日以降に生まれた人で、学校教育法に基づく大学(短期大学を除く)を卒業している人(平成32年3月卒業見込みを含む)又は同等の資格を有する人
2019年受験時に21~29歳ということになります。
Ⅱ類(専門卒相当)
- 平成2年4月2日から平成12年4月1日までに生まれた人
2019年受験時に19~29歳ということになります。
年齢幅が広がりますね。
教養試験のレベルが若干下がると思われます。
Ⅲ類(高卒相当)
- 平成10年4月2日から平成14年4月1日までに生まれた人
2019年受験時に17~21歳ということになります。
消防士採用試験の受験資格
それぞれの区分によって年齢制限が定められています。
区分 | 教養試験レベル | 年齢制限 |
Ⅰ類 | 大卒相当 | 21~29歳 |
Ⅱ類 | 専門卒相当 | 19~29歳 |
Ⅲ類 | 高卒 | 17~21歳 |
最終学歴が高卒の方でも、29歳まではチャレンジすることができます。
消防士採用試験の試験内容
採用試験の内容を簡単にまとめていきます。
消防士採用試験は、通常の公務員試験(教養試験、面接など)に加え、体力試験があります。
1次試験
東京消防庁は1次試験を全国で行っています。
Ⅰ類 | 大阪 |
東京 | |
福岡 | |
Ⅱ類 | 東京 |
Ⅲ類 | 東京 |
札幌 | |
秋田 | |
盛岡 | |
郡山 | |
大阪 | |
福岡 | |
長崎 | |
鹿児島 |
教養試験
いわゆる学科試験です。
試験区分によりレベルの差があります。
教養試験について詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてください。
内容
文章理解(英語、現代文、古文)
数的推理(数的推理、判断推理)
社会科学(政治、法律、経済、社会)
自然科学(物理、数学、科学、生物、地学)
自分科学(世界史、日本史、地理)
実際に東京消防庁Ⅰ類の教養は数的推理の問題が多く配点が高いです。
高校レベルの数学で、高校数学赤点だらけの自分でも合格できる問題のレベルです。
論(作)文試験
課題式により、Ⅰ類及びⅡ類は論文試験、Ⅲ類は作文試験を行われます。
原稿用紙2枚から3枚程度です。(800 字以上 1,200 字程度)
Ⅰ類 | Ⅱ類 | Ⅲ類 |
小論文 | 作文 | |
説明的文章 | 自己PR文 | |
「私は~と考える」と答(=意見)を述べ、その理由を「それは~だからだ」と筋道を立てて説明する | 試験官に、「ぜひ面接をしてみたい」と思わせるような内容 |
小論文は
(1)自ら研究テーマを見つけ、それを調査・分析し自分で考えているか
(2)論理的に考え、表現できているか
が問われます。
資格・経歴評定
保有する資格やスポーツ・音楽の経歴に応じて評定を行われます。
- 資格各種(大型自動車免許、救急救命士など)
- 語学
- スポーツ経歴全国出場、プロ経験
- 音楽、全国金賞
おすすめの資格をまとめたので、下記の記事を参考にしてください。
適性検査
消防官としての適性について検査します。
- クレペリン検査
- 性格検査
ほとんどの場合この2種で行われます。
クレペリン検査は一桁の足し算をひたすらやることで作業量や正確性で性格や適性を評価します。
どれも参考程度の資料となりますが、意識せず普通にやれば問題ないです。
詳しくは下記のサイトを参考にしてください。
2次試験
1次試験で絞り込まれ、後日2次試験が行われます。
身体・体力検査と口述試験です。
身体・体力検査
消防官として職務遂行に必要な身体(四肢関節機能を含む。)、体力及び健康度(尿検査、胸部X線検査、心電図、血液検査を含む。)を検査があります。
実際受験してわかったことは、あくまで消防官として職務遂行に必要な身体を審査するためであって、体力のある受験生を取りたいというわけでないことです。
身長 | おおむね160cm以上 |
体重 | おおむね50kg以上 |
胸囲 | 身長のおおむね2分の1以上 |
視力 | 視力(きょう正視力を含む。)が両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上であること。なお、裸眼視力に制限はありません。赤色、青色及び黄色の色彩の識別ができること。 |
聴力 | 正常であること(オージオメータによる純音聴力検査を実施します。) |
肺活量 | おおむね3,000cc以上 |
体力検査 | 1km走、反復横とび、上体起こし、立ち幅とび、長座体前屈、握力、腕立て伏せ |
体力試験について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
口述試験
いわゆる個人面接です。
数人の面接官に、一人の受験生というスタイルが多いです。
また市町村の場合、直接市長や消防長が面接官の場合もあります。
わたしは面接官でもあるのですが、消防士を目指す受験生に以下のアドバイスを送ります。
- キビキビと動く(消防の特性上動きが遅いとマイナスです)
- 声はハキハキと(消防の特性上…)
- 消防士に対する情熱を語ろう
- 面接官にあなたが消防士として活躍する姿を想像させましょう
消防士になるには まとめ
情報を知れば、おのずと足りないものがわかったり、深く知りたいと思います。
ぜひこの情報で合格に近づけるように祈っています。